ミステリー映画『鳩の撃退法』のあらすじ解説！キャストとロケ地も紹介

この記事にはネタバレが含まれている場合があります。

気になる方はお控えください！

 

映画『鳩の撃退法』は、直木賞作家・佐藤正午の小説を原作に、2021年に公開されたミステリー作品です。

現実とフィクションが巧妙に絡み合い、観客を深く考えさせるストーリーが特徴です。

この作品は、作家・津田伸一が巻き込まれる偽札事件や一家失踪事件を軸に、真実と虚構の境界が曖昧になる展開が魅力です。

映画『鳩の撃退法』とは？ストーリーの見どころ

ストーリーの核心：津田の過去と偽札の謎

物語の中心となるのは、津田が小説のテーマとしていた「一家失踪事件」と「偽札事件」の行方。

この事件は津田が過去に経験したもので、彼の小説としてはフィクションとして描かれていたはずでしたが、

現実でも同様の事件が発生している可能性があるということがポイントです。

この演出が、現実とフィクションの境界を曖昧にし、津田が作り上げた物語がどこまで真実なのかを観客に考えさせます​。

また、津田は創作活動の一環としてフィクションを描いていたはずが、その内容が現実と交差し始め、次第に津田自身もその境界を見失っていきます。

これは、「偽札事件」や「失踪事件」に巻き込まれていく津田の姿を描くことで、

現実と小説の二重構造が絶妙に重なっていくところが、作品の最大の見せ場とも言えるでしょう​。

映画の見どころ：緊張感と不安感が交錯する瞬間

映画『鳩の撃退法』の見どころは、フィクションと現実、そして過去と現在が複雑に交錯するプロットの中で、

観客が津田の物語にどれだけ引き込まれていくかにあります。

津田が描く小説の出来事が現実に起こっているかのように感じられ、彼の作り話がどこまで真実で、どこからがフィクションなのかが次第に曖昧になっていきます。

津田が過去に経験した出来事が現実の事件とリンクしていく一方で、

その全てが真実かどうかは最後まで明確にされないまま、観客に解釈を委ねられます。

この曖昧さが映画の独特な魅力であり、観る者を飽きさせない要因となっています。

物語全体が、津田の作家としての創作活動と密接に結びついており、彼のフィクションがどのように現実と混ざり合っているのかが

徐々に明らかにされるプロセスが非常にスリリングです。

また、藤原竜也の演技は、津田の苦悩や狂気をリアルに伝えるもので、彼の内面の葛藤が観客に強く響きます。

このため、ミステリー好きや、複雑に絡み合う展開を好む方には特におすすめの作品です。

この映画は、津田の言葉や行動が信頼できるかどうかを常に疑う余地を残しつつ、緊張感が持続する構成になっています。

観客は結末に至るまでの謎解きを楽しみながら、津田の物語に引き込まれていきます。



豪華キャストが織りなす個性豊かなキャラクターたち

映画『鳩の撃退法』は、独特なキャラクターを演じる俳優陣が、物語をさらに深く魅力的にしています。

それぞれが個性を際立たせる役柄を演じ、物語に緊張感やユーモアを加えています。

藤原竜也：主人公・津田伸一

主人公の津田伸一を演じるのは藤原竜也。かつては直木賞作家として輝かしい成功を収めていたものの、

現在は酒に溺れ、執筆のスランプに苦しむ作家という役柄です。

藤原竜也の強烈な演技は、津田の内面に潜む不安や苦悩、さらには狂気に迫る部分を見事に表現しています。

彼の一挙手一投足が、物語全体に深い緊張感を与え、観客を引き込む要素の一つです。

津田が作るフィクションと、彼が関わる現実の事件との境界が曖昧になる展開も、藤原の巧みな演技によって際立っています​

土屋太鳳：鳥飼なほみ

津田の担当編集者・鳥飼なほみを演じるのは土屋太鳳。

彼女のキャラクターは、津田の才能を信じつつも、その破天荒な性格に振り回されるという設定です。

鳥飼は、津田の作品が単なるフィクションなのか、それとも現実の出来事を描いたものなのかを見極めようとする重要な役割を担っています。

土屋太鳳の自然な演技は、津田とのコミカルなやりとりにユーモアを加えつつ、作品全体のテンポを軽やかにしています。

彼女のキャラクターは物語の中で津田にとって重要なパートナーであり、観客にとっても重要な視点を提供します​。

風間俊介：幸地秀吉

謎の男、幸地秀吉を演じるのは風間俊介。

彼は、津田が行きつけのバーのマスターであり、津田の物語において非常に重要な役割を果たします。

風間俊介の冷静な演技は、物語全体に一層の深みと緊張感を加えています。

特に、彼の家族が突如失踪するという事件が、津田の創作するフィクションと現実の事件との接点を示す重要なエピソードとなります。

風間の演技力は、観客に秀吉のキャラクターが持つ複雑さと、謎めいた魅力を見事に伝えています​。

西野七瀬：沼本

津田が通うコーヒーショップの店員、沼本役を演じるのは西野七瀬。

彼女のキャラクターは直接的に事件に関与するわけではありませんが、津田の日常において重要な存在となります。

津田のことを気にかける様子が描かれており、観客に対して一種の癒しや人間味を感じさせます​。

豊川悦司：倉田健次郎

さらに、裏社会を牛耳る倉田健次郎役を演じるのは豊川悦司です。

彼は、偽札の事件を追う中心的な人物であり、物語全体の闇の部分を担う存在です。

豊川の静かながらも威圧感のある演技は、物語に強い緊張感をもたらし、津田との対決がクライマックスを盛り上げます​。

これらのキャラクターたちが織り成す複雑な人間関係と、

それを演じる豪華な俳優陣が『鳩の撃退法』をより一層魅力的な作品にしています。

それぞれのキャラクターが持つ個性と物語への影響が、観客を最後まで引きつけてやまない要素となっています。



『鳩の撃退法』はどんな人におすすめ？

映画『鳩の撃退法』は、複雑に絡み合う展開や深い謎解きが好きな方に特におすすめの作品です。

この映画は、現実とフィクションが入り乱れるストーリー展開が特徴で、視聴者に常に考えさせる要素が多く含まれています。

具体的にどんな人に向いているのか、ポイントを見ていきましょう。

ミステリー好きな人や、複雑なストーリー展開が好きな人に

『鳩の撃退法』は、複数の時間軸が交錯する複雑なストーリー展開が特徴です。

主人公の津田は、酒に溺れながら過去の記憶や体験を小説に落とし込みますが、

その小説と現実の出来事が徐々にリンクし、

どこまでが現実でどこまでがフィクションなのかが不明瞭になっていきます。

観客は物語の進行とともに、津田の小説が現実に起きた事件を予言しているのか、

それとも単なる偶然なのかを考えさせられます​。

特に、津田の回想シーンと現実の事件が重なり合う場面では、緊張感が一気に高まります。

藤原竜也や土屋太鳳、風間俊介などの実力派俳優が好きな人に

この映画は、豪華なキャスト陣による緊迫感あふれる演技も見どころの一つです。

藤原竜也は、物語の中心である津田伸一を演じ、作家の苦悩を見事に表現しています。

彼の独特な存在感が、映画全体にリアルな緊張感をもたらし、物語に厚みを加えています。

また、土屋太鳳や風間俊介も、ユーモアとミステリーが絡み合う複雑なキャラクターを巧みに演じています​

俳優陣の圧倒的な演技力は、観客に深い感動と驚きを与えるでしょう。

創作や作家の視点に共感できる人に

『鳩の撃退法』は、クリエイティブな視点を持つ人にもおすすめの作品です。

作家志望やクリエイティブな活動をしている人にとって、

物語の中に登場する津田の葛藤や創作の苦しみは共感を呼ぶことでしょう。

津田が過去の出来事や体験を基にフィクションを書き上げ、それが現実の事件とリンクしていく様子は、

創作のプロセスを描いた非常に興味深い要素です。



映画を彩るロケ地：富山と高円寺の風景

映画『鳩の撃退法』の舞台は、主に富山県と東京・高円寺。

その風景や場所が、物語の雰囲気に大きく影響しています。

特に、富山の美しい自然や静かな田舎町の描写は、物語全体の不気味さや孤独感を強調する大きな要素です。

富山の美しい自然と寂しげな街並み

富山県は、映画のほとんどのシーンが撮影された場所で、物語に大きな影響を与えています。

特に冬の富山のシーンが象徴的で、立山連峰を背景に広がる雪景色は、

津田の心象風景ともリンクし、彼の孤独感や人生の迷いを際立たせます​。

富山の代表的なロケ地には、西高岡駅、あっぷるぐりむ呉羽店、

そして房州書店として登場する古書店「ブックエンド2」などがあります。

これらの場所は、津田が事件に巻き込まれていく舞台となり、映画の緊張感を高める役割を果たしています​。

津田が過ごす静かな田舎町の風景は、現実とフィクションが交錯する物語の中で、

観客に不安感や孤立感を与えつつ、ミステリアスな雰囲気を強調しています。

特に、雪が降るシーンや、人影の少ない街並みは、津田の複雑な心境と重なり、

映画のビジュアル的な魅力を引き立てています​。

東京・高円寺の都会的な対比

一方、映画には東京・高円寺のバー「オリビア」が登場し、

富山の静かな風景とは対照的な都会的な雰囲気を見せています。

この場所は、津田が現実とフィクションの境目に揺れながら、

自身の物語と向き合う場面が展開される重要な場所です。

物語において、都会と田舎の対比は、津田の心の動きや物語の進行に大きな影響を与えています​。

ロケ地としての魅力

富山は、映画の撮影に全面的に協力しており、藤原竜也や土屋太鳳らキャストたちもその自然美や地元の協力に感銘を受けたと語っています。

富山の立山連峰の雄大な風景や、地元の人々の温かさが、この映画の独特な雰囲気を作り上げる要因となっています​。

『鳩の撃退法』は、これらのロケ地を通して、津田の内面世界とリンクするビジュアル的な深みを持たせており、観客に強い印象を与える映画となっています。

映画出演キャストのプロフィール

藤原竜也

  • 生年月日: 1982年5月15日
  • 出身: 埼玉県
  • 身長: 178cm
  • 事務所: ホリプロ
  • 出演作: 『バトル・ロワイアル』『デスノート』『カイジ』

土屋太鳳

  • 生年月日: 1995年2月3日
  • 出身: 東京都
  • 身長: 155cm
  • 事務所: ソニー・ミュージックアーティスツ
  • 出演作: 『8年越しの花嫁』『青空エール』『トリガール！』

風間俊介

  • 生年月日: 1983年6月17日
  • 出身: 東京都
  • 身長: 164cm
  • 事務所: ジャニーズ事務所
  • 出演作: 『それでも、生きていく』『シン・ウルトラマン』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』